12月の施設研修~リスク委員会より

今回の施設内研修はリスクマネジメント委員会が主催。

食事場面に潜む誤嚥リスクと、車いす介助場面での事故について体験する機会を持ちました。

 

食事介助では誤嚥がどのような機序で発生するのかを、言語聴覚士の山下より説明がなされました。

 

顎が上がると気道が開いてしまします。そのまま飲み込むと誤嚥性肺炎を起こしやすくなるため、立ったままで介助をするのは危険になることなどを学びました。

 

 

また車いすでの座位姿勢の工夫や、とろみ剤の使い方や飲み込み体験も行いました。

 

さらに、車いす介助と介助を受ける体験をし、わずかな段差でも衝撃があることや、速さを感じやすいこと等、再発見をする機会となりました。


訪問リハビリの役割

今年は多くの事業所様に訪問リハの紹介をいただいています。

左京区にある当施設においては、訪問リハビリのみならず、最近ではデイケアご希望の方も非常に増えてまいりました。

 

この理由を個人的に考えてみたところ理由は大きく2点あると思っています。

 

①地域に訪問系サービスが充実してきた

②病院が一生懸命かつ丁寧に退院支援をするようになった

 

①については、特に訪問看護サービスが充実してきました。大きな医療法人のみならず、地域の訪問看護ステーションが増加し、医療的支援が必要な方であっても安心して在宅生活ができるようになりました。

 

②については、回復期病院や地域包括ケア病棟が、しっかりと在宅復帰支援をしてくれています。

私たち訪問リハスタッフも退院前訪問指導に同行し、在宅生活での課題を共有する場面もあります。

病院のリハビリ職からは、プログラム内容をはじめ、注意してきたことや個人の趣味や特性なども伺っており、

同じメニューをするというよりも、混乱されないような配慮をしつつ、生活場面に適した連続性のあるアプローチを工夫します。

 

退院直後は不安が多いですので、日常の生活動線を確認して、段差解消や手すり設置を担当ケアマネジャーと調整したり、転びそうな場所を想定して家具の配置を変えたりといった環境調整も行っています。

看取りケアの勉強会

10月の施設内勉強会は「看取りケア」がテーマ。

介護老人保健施設は在宅復帰・在宅生活支援を行うのが主たる役割ですが、現在は認知症支援や中重度支援、看取り支援などの多機能性を求められています。

 

当施設でも看取りについてのスキルアップをめざして学びを深めています。

 

昨今では「終活」という言葉もよく耳にします。

自分の死を考えることは、決してネガティブなことではなく、いかに最期まで自分らしく生きるのか?という前向きな姿勢にもなります。

 

施設としてできることは病院とは違って限られていますが、「看取り」は今後の超高齢社会の課題です。私たちの役割を考えるきっかけとなりました!

痛い時・・・動かす?動かさない?

「痛み」嫌ですよね・・・

 

本日も訪問リハビリで、「膝が痛いのですが動かさない方がいいですか?」と心配そうに質問いただきました。

一般的には、炎症反応(熱感や腫れなど)がある場合は安静にしていただいた方がいいです。

しかし、安静のし過ぎは禁物。

 

どのような動作や姿勢をしたときに痛くなるのかを確認してください。

動作時痛だけであれば、ゆっくりと痛くない方法を探して動いていただいた方が、改善は早くなります。

局所の循環不全で痛みが発生している場合が大半ですので、血のめぐりが良くなれば改善していきます。

筋肉が動くことで循環は改善していきます!!歩くことがしんどければ、座って足を動かしてみてください!

 

但し、じっとしていても痛みが続く場合は、極力はやく受診いただくことをお勧めします。別の病気が進行している可能性もあります。

 

医療のリハビリ 介護のリハビリ

リハビリのイメージはどのようなものをお持ちでしょうか?

テレビドラマでよく見るような、スポーツや事故などで怪我をして、平行棒の中や松葉杖を使って一生懸命に歩く練習をしている場面ではないでしょうか?

いかにも、できなくなったことを訓練して再獲得していくイメージ・・・。

⇩こんな感じで。

確かに病院では、骨折や脳卒中などの怪我や病気によって低下した運動機能を、さまざまな練習によって再獲得していくことがリハビリの目的となります。

(※リハビリテーションは英語でrehabilitationと表記されており、人生の再獲得とも訳されています)

 

では、介護保険で行っているリハビリも同じ意味なのかというと質感がすこし違ってきます。

 

病院(=医療保険)におけるリハビリは疾患の治療し、退院を目的とした機能練習が中心です。

 

一方、介護保険は病気の改善のために利用することが目的ではなく、自立した生活を行えるように「生活支援」をすることが目的となります。

 

介護老人保健施設のリハビリで生活機能を再獲得されて在宅復帰されるかたもありますが、機能改善したからといって在宅復帰できない利用者が多いのも実際です。

 

介護者の状況や家屋環境に影響されることが非常に大きくなります。

 

介護者の課題として、一緒に住まいになるご家庭に別に介護する高齢者がいたり、生まれたばかりの曾孫さんがいたり、受験生がいる場合があります。環境の課題として、段差が多く車いすでの屋内移動ができなかったり、トイレに行くのが難しかったり、山間部で介護サービス事業所がなかったりすることもあります。

 

つまり介護保険領域のリハビリでは、身体機能だけに着目していては、高齢者の生活課題を解決できないことが多いのです。

 

しかし、たとえ家に帰ることができなくとも、機能向上が見込まれないとしても、リハビリ専門職の視点を通して、自分らしい暮らしができるような提案をすることも、施設リハビリ職員の役割になります。(と、少なくとも当リハビリ科は考えています)

 

↑厚生労働省資料(H29)です。

在宅復帰困難者の老健入所の理由は、本人事情では「リハビリ」ですが、家族事情では介護ができないという理由です。

やはり、同居家族への配慮が極めて重要であると言えるでしょう。

 

【まとめ】

医療のリハビリは、病気の治療をして家に戻って暮らすことが目的です。

介護のリハビリは、家族や家屋環境、個人の特性をはじめとした「利用目的」を掘り下げて理解し、最適にバランスのとれた生活支援を行うことが目的となります。

 

(作業療法士 小松顕)

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