入所のリハビリテーションサービス

厚生労働省令では、介護老人保健施設は「居宅における生活への復帰をめざすものでなければならない」と定められています。

フェアウインドきのでも、原則的に在宅へ帰る可能性がある方が対象となります。

たとえ入所希望段階で在宅へ帰る可能性が低いケースであっても、ご本人の身体状況の改善や、ご家族の状況が好転するケースもあり、将来必要と予測される生活課題の達成へむけて、日々のケアとリハビリに取りくみます。


▶入所リハビリ開始までの流れ

入所時

在宅生活で困っている生活上の動作を、相談員もしくはリハビリスタッフが伺い、今後の目標を確認します。また入所期間中のリハビリ方針を確認するため、入所時訪問指導の予定調整を行います。

 

説明と合意

リハビリテーション実施計画書原案を作成し、リハビリゴールとプログラム内容を提案します。


 

評価・プログラム実施

身体機能などを確認し、ゴールを目指したリハビリサービスを実施します。

短期集中リハビリテーション(※1)期間中は原則として毎日個別リハビリを行います。入所直後の生活環境変化は転倒リスクや不安感も高まります。できるかぎり毎日実施することで、早く生活に慣れるとともに、生活機能の改善を図ります。


 

プランの見直し

3か月に一度リハビリプランの見直しを行います。サービス担当者会議(他職種スタッフとの会議)を通して、ケアプランと一緒に再検討します。

 

 



入所中のリハビリ回数は?

  • 入所から3カ月の期間は、原則毎日20分~40分の個別リハビリです。(短期集中リハビリ+認知症短期集中リハビリの場合)
  • 3カ月を超えると、週3回程度のリハビリとなります。(課題別リハビリテーションを参照)
詳しくは下記参照ください

▶短期集中リハビリテーション(入所)

入所してから3カ月以内は短期集中リハビリ期間と設定されています。(※1)

この期間、身体機能・認知機能をはじめとした練習を毎日集中して実施し、機能の維持改善をめざします。

短期集中リハビリ期間には原則毎日20分以上の個別リハビリ練習を実施します。運動のみならず、生活環境や日課になれるような作業活動や心理的支援も行います。

  

※1:過去3か月以内に介護老人保健施設を利用している場合には短期集中リハビリテーションの対象とはなりません。

※2:3ヶ月を経過した場合は、週3回程度のリハビリ実施となります。

 

▶課題別リハビリテーション

強化型老健では充実したリハビリテーションの提供として週3回程度のリハビリを実施しています。

フェアウインドきのでは、利用者様の身体機能に応じたプログラムを提供しています。

歩くことを課題としている方、立ち上がり動作やトイレ動作を課題としている方、覚醒を促し生活リズムを整える課題の方、認知症の進行予防を課題とする方、食事や口腔機能の維持が課題の方など、利用者様の個別課題に対応したリハビリを行っています。

 

▶在宅支援フロアでの自主練習

2階在宅支援フロアには、利用者様がいつでも運動できるスペースを設けています。プリント課題をはじめとする頭の体操、棒体操、足腰の体操などのメニューを掲示しています。



▶口から食べることを大切に~経口維持の取り組み~

高齢者の楽しみの第1位は「食事」といわれています!!

食事に関する機能や欲求は、最期まで維持されるともいわれています。

おいしく、楽しく、安全に食べることが幸せを感じ、人生のそのものを保つことにつながります!

「いつまでも、おいしく、たのしく、安全に!」 をモットーに、

フェアウインドきのは、利用者様の食支援にとりくみます!!


★口から食べることにこだわる理由

「食べることは生きること」と考えられます。

しかし、義務として考えるのではなく、楽しみを加え、それぞれの生活史で味わってきた味覚を大切に、いついつまでも食べる笑顔を私たちはお手伝いしたいと考えています。

 

★口から食べることの重要性 

いただきますから食べ終わるまでのストーリーにおいて、 噛むことは舌が味覚を脳に伝え活性化します! 脳血流量が上がれば認知症進行予防にもなります! 適切な栄養がとれることで、免疫力の維持向上、感染症予防にもつながります。

 

★経口維持のとりくみ内容(経口維持加算について) 

噛むこと(咀嚼機能)、飲み込むこと(嚥下機能)を専門職(言語聴覚士等)が評価し、医師、管理栄養士、ケアマネジャー、リハビリ、看護、介護スタッフなど多職種で話し合い、食事形態などの栄養管理、飲み込み状態の評価、姿勢調整、福祉用具の提案、食事環境への配慮等のプランを立て、定期的な見直しを行います。

 (経口維持加算Ⅰ、Ⅱ 合計500単位)

 

▶認知症短期集中リハビリテーション

認知症短期集中リハビリテーションは、全国介護老人保健施設協会の効果検証事業がきっかけとなりスタートしたプログラムです。

はじめは軽度の方を対象とした認知症進行予防に特化していましたが、プログラムを通して中重度の方であっても、認知症の周辺症状が改善効果が期待できるとされ、対象者が拡大されました。

◆対象者について

認知症の利用者であって生活機能の改善が見込まれると医師が判断した者

過去3月以内に当該加算を算定していない場合に限る

◆期間

入所日から3か月以内

◆プログラム内容

評価(HDSR、MMSEというスケールを使います)に基づいて、対象者に適した内容を現実見当識練習、回想法、語想起練習、記憶練習、学習、アクティビティ、日常生活動作の練習などから組み合わせて実施します。 

◆回数と頻度

入所サービスの場合:一週間に3回(1回20分)となります。
通所サービスの場合:一週間に2回(1回20分)となります。  

【全老健HPの解説】公益社団法人全国老人保健施設協会では、平成18年4月より創設された「認知症短期集中リハビリテーション」の効果を検証するため、長年にわたり調査研究事業を実施してきました。この調査研究事業の結果、「認知症短期集中リハビリテーションは極めて有効であり、臨床的認知症重症度の進行予防、心の健康維持(意欲、活動性)を通じて、ADLの改善が認められる。さらに、周辺症状の改善によって在宅系居所への復帰効果が期待される」という画期的成果が得られました。この結果は厚生労働大臣の呼びかけで始まった「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」の報告書においても、認知症に対する認知症短期集中リハビリテーションが、中核症状及びBPSDの改善に有効であることが示されております。

 


▶リハビリスタッフによる居宅訪問指導

○入所前後訪問指導

入所前もしくは直後にリハビリスタッフがご自宅を訪問し、在宅復帰後の生活環境で困ると予想されるポイントを確認します。ご入所中に生活課題を解決できるようリハビリプログラムを作成・実施します。

 

○退所前後訪問指導

退所前に在宅訪問を行います。実際に生活動線を一緒に確認し、環境調整や福祉用具の提案などを行います。また残りの入所期間で、さらに集中的に課題となる動作練習を実施します。

☆ここがポイント!

施設内でできるようになった動作が、家に帰り「安全かつ安定してできる」とはかぎりません。絨毯や足元の机の脚、よく使うポットの置き場所、電子レンジと食卓までの動線などなど、隠れたバリアが沢山あります。家に帰ったあとの暮らし方をイメージしながら、丁寧にリハビリスタッフが確認します。また同居家族の生活動線やライフスタイルとのマッチングも大切です。お互いに長く暮らし良い環境設定を考えていきます。


ショートステイのリハビリ

ショートステイ期間中にもリハビリスタッフが個別リハビリを実施します。実施回数はケアプランに基づくマネジメントのもと、利用提供票に合わせて実施いたしますので、担当ケアマネジャー様へご相談ください。

※ケアプランに個別リハビリ提供がない場合は、身体機能の評価に基づき課題別リハビリやレクリエーションを促します。

 

個別リハビリテーション実施加算 1回20分 240単位

   



生活リハビリの充実をめざして

生活リハビリということばをご存じですか?

 

 リハビリというと、専門の療法士による機能訓練をイメージされるかもしれません。従前のリハビリは、受傷後に機能練習をし、回復したあとで、通常の生活を行うというものでした。

 しかし、介護保険施設では、普通の生活をすることで、機能のみならず、生活行為全般を改善していこうという自立支援の考え方をしています。ですから、パジャマのまま部屋過ごすことは原則としてありません。朝起きたら着替えを行い、食堂まで移動してごはんをたべ、トイレにいって排泄をする・・・普通の生活です。

 利用者様の心身状況に合わせた「ケアプラン」を作成し、生活場面で最適な介助を行うことで、能力の維持向上を図ることを「生活リハビリ」と呼んでいます。

 フェアウインドきのでは、日常生活の中でのリハビリを大切にしています。

 

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